RXの凱旋 

2001 LIVE TOUR


2001/7/7/SAT 広島ナミキジャンクション

2001/7/21/SAT 新宿リキッドルーム


SETLIST

!HAヨY
Shining Crazy Man
CHEMICAL REACTION
get it! get it!
Close To Me
ARCADIA
ALBATROSS
S.T.F
Mystery from Greenman
Tempest

(広島 7/7)
Endless Spiral
LOVE FLIGHT

(東京 7/21)
Endless Spiral

Film Noir
Skip Jack
LOVE FLIGHT

(東京 7/21のアンコール曲順、自信ないです(^^;)


MEMBER

RX

雷電湯澤(Dr)
石川俊介(B)
松崎雄一(Key)

Guest

ブレンダ・ボーン(Vo)
福原将宣(G)
勝田一樹(Sax)
…7/7
岩佐真帆呂(Sax)
…7/21
藤井陽一(G)
…7/21


広島ナミキジャンクション(7/7/Sat)

■七夕の夜。
 やって来ました。待ってました。出張先から駆けつけたRXライブ。昨年程ではないにしろ、まずまずの整理番号。位置取りは、2列目ほぼ中央。いいんじゃないすか?何しろ、この小屋、圧倒的に狭い。ステージ近い。2列目でも、距離的にはホールの最前列より近いです。
 約一年ぶりのRX広島公演は、七夕の夜です。一年に一度の逢瀬にこれほどぴったりの日はないでしょう。こんな偶然の巡り合わせに喜んでしまうのは、私がまだ乙女だから?(<ツッコミ可)
 それはともかく、なんだかセッティングに手間取っているようでかなり時間押してます。客入れが始まってからも機材を入れ替えたりして、トラブルもある様子。客席から(信者間では知らぬ人のいないくらいの有名ローディー)森永さんが機材とともに登場した時には、何故か拍手がわき起こる。後でわかったことだけど、森永さんは、この日の早朝まで東京で某蒼いお方のライブで働いた後、広島に駆けつけるという、非常にハードなスケジュールだったらしく、それを労っての拍手だったのかも。

■オープニング。
 かなりの時間押して(正確な時間は、携帯の電源を切っていたのでわからない)、場内にSEが流れはじめ、メンバーの登場。ん?ギターの人、はじめましてだわ。そして、まっつぁん、勝田さん、湯澤さんと登場し、最後に石川さん。
 それぞれが所定の位置につき、各々の確認作業を終えたところで、SEがやんで石川さんの一声。「いえ〜い!」

■最初から飛ばしてます。
 「!HAヨY」でのベースソロで、いきなりノック・ダウンです。石川さんのベースにはもちろんだけど、それと絶妙に絡む湯澤さんのドラム。二人のコンビネーションに、すでに感動の涙がにじみました。
 ノリのいい2曲に続いて、懐かしの「CHEMICAL REACTION」。「CHEMICAL REACTION」(アルバム名)からの曲を演奏する度に、石川さんのMCには「廃盤」という言葉が登場する。「もう買えないんです」って。古くからの信者にはただ懐かしいという感覚でも、最近RXを知った人たちにとっては、すごく残念だろうね。再販、しません?何だっけ。「CD選書」とかいうシリーズで出すこととか出来ないんでしょうか?出して欲しいですね。

■石川さんのMCにツッコんでみた。
 MC担当の石川さんは大忙し。曲間にも、ベースを取り替えたり、水を飲んだり、汗をふいたり、そしてもちろんしゃべりも入れなくてはならない。ここでも、あれやこれややりつつ、時々マイク前に戻ってしゃべる。
 「さ、次の曲、何だと思います?」
 何だと思います? と訊かれても知らない人にはわからない。知っていてもネタばれに関して、とても厳しい指導を受けている私たちは、すぐに口にすることは出来ない。そして、問いかけたきり、石川さんは答えない(笑)
 その時、私は隣にいたSりすPーさんに「まさか、忘れてるんじゃないよね」と話しかけた。その声がばっちりステージにまで届いていたらしく、石川さん「忘れてないよ」と言いつつ「でも、ミュージシャンなんてそんなもんかも知れないね。曲が始まったらなんとかなるというか」やっぱりねと思った私の心の中の言葉を否定するように「でも、今日は忘れてません」
 思いがけず、石川さんと話のキャッチボールが出来て、とっても嬉しかったです。小さな小屋って、こういうほのぼのした感じがいいよね。で、次の曲は何かというと「get it! get it!」

■げりげり。
 この曲は、ブレイクの時の各パートの短めのソロ回しがお楽しみ。特に、湯澤さんが強制的にソロを終わらせてしまうとこが、男らしくて素敵(笑)それと、演奏が始まると、石川さんのマイクスタンドがベースにぶつかって邪魔になるんですが、そのマイクスタンドを、石川さんがぶんっ!って後ろに回したところも、めちゃ男らしい(笑)
 この曲ではドラムソロがたっぷり堪能出来る。もう、そりゃあ、相変わらずパワフルで重厚で、その上、雷電リーの声も入ったお遊び的なところもあって、客席との掛け合いにもウキウキ。そして最後に雷電太鼓の登場。ほんと〜に素敵でした。うっとりでした。
 ドラムソロ後、再びメンバーがステージに登場し、げりげりを締めて、そのままメンバー紹介へ突入。

■サックス:勝田一樹
 勝田さんは、石川さん曰く「飛ぶ鳥を落とす勢いの売れっ子」だそうで、この日も、チューブのツアーの合間に四国から広島入りしたんだそうです。とてもお忙しいらしい。でも、私の中では勝田さんって、既にRXの正式メンバーなんですよね。迷惑?>勝田さん(笑)

■ギター:福原将宣
 福原さんのマイクが不調のようで、声が拾えなくて、その時石川さんのナイスぼけ炸裂
「福原君のマイク、電池切れみたい」
って、電池入ってんのか!(笑)
 センターのマイクを持ってきて、というか、福原さんがセンターに移動して無事お話スタート。福原さんの出身地は「大麻」と書いて「おおあさ」と読むんだそうです。かなり大人になるまで、「大麻」という文字を見ても、それが悪いものだという意識がなくて、「大麻不法所持」とか、何? みたいに思っていたそうです。というだけの話だったんだけど、長いっ!(笑)

■キーボード:松崎雄一
 今日から、夏の衣装に変わりましたと嬉しそうな松崎様(相変わらず、松崎様は"様"付け)。そう言えば、松崎様は涼しげな半袖のブルゾン風。石川さんも、可愛らしいパーカー。湯澤さんは……。家から着てきた? と思わず訊いてしまうTシャツに短パンでした。

■ドラムス:雷電湯澤
 「石川を休ませるため」に、松崎様に紹介されて湯澤さんはステージ前方へ。湯澤さんは昨日から広島入りしていたそうです。(親しいお友達がいらっしゃるとか) 石川さんは、一昨日浜松、昨日名古屋、今日広島、明日福岡の4連ちゃん。勝田さんも四国から広島入り。メンバーそれぞれ、全国から広島に集結した! というようなことをおっしゃってました。
 で「あ、そう言えばさあ、昔のバンドの蒼い奴、昨日東京でなんかやってたらしいじゃん」客席から歓声。「同じ事務所なんだから、少し考えようよ。今度の東京の時も、あるお方が何かやるっていうし。この脆弱なRXをさらに弱らせるようなことしないでよ」と何だか弱気な発言。でも、今や、元聖飢魔IIの中の出世頭(笑)もしかして最強?
 「昨日の石川君の名古屋のライブを見てからここに来てる人」という質問に、客席から拍手と歓声。「じゃ、今朝、蒼い奴を見てからここに来た人」というまさかの質問にも拍手と歓声。いやー、私感動しました。出張先から駆けつけた自分など、まだまだだとわかって、恥ずかしい気分にさえなりました。さらに「じゃあ、名古屋でライブ見て、東京に帰って犬死に見て、それからここに来てる人」 ……、さすがにそれはいませんでした(笑)

■ベース:石川俊介
 4連ちゃんだなんて元気だよね、みたいなことを言われて「まあ、やればなんとかなるもんですよ。それに、前に10連ちゃんとかやったことありますから」というお答え。ほんと、石川さん、よく働くよね。RXやって、他のバンドのゲストとしてのステージやって、バーベキューやって沖縄行って(笑)

■ボーカル:ブレンダ・ボーン
 昨年のロビーさんもダイナマイトでキュートな女性でしたが、ブレンダさんも負けず劣らずのダイナマイトでキュートなお方。RXのボーカルのセレクトって、センスいいよね〜。

■ヴォーカル曲コーナー。
 ブレンダさんの歌声は、少し低めの落ち着いた印象。特に「Close To Me」はCDで聴くロビーさんの高音とは違う味わいでとても良かったです。
 この2曲を、ブレンダさんはとても気に入っているということで、今度RXがアルバムを作る時はぜひ声をかけて欲しいとおっしゃってました。「でも、きっと誰も私を呼んでくれないわ」とブレンダさんに言われて、ぺこぺこと頭を下げ続けるRXのメンバー達(笑)
 ブレンダさんは分かりやすい英語でゆっくり話してくれるので、英語コンプレックスの私にも、話の内容が理解出来ました。あ、それから、ここで始まって、その後ブレンダさんの持ちネタになったのが、「RXのアルバム買ってない人」と客席に訊いて、買ってない人をみつけると「出て行きなさい」って言う掛け合い。ブレンダさんって、ちょっと閣下タイプかも(笑)
 ふと気が付くと「ARCADIA」では、ギターの福原さんと松崎様がコーラスを取ってました。まっつぁんのコーラスって、すっごい新鮮。

■ソロ回し。
 この手のタイプのライブでは、ソロ回しっていうのが定番みたいで、各自がアドリブでがんがんソロを取って行きます。他のメンバーは、ソロを取ってる人をちらちら見て、ソロ終了の合図を待つわけですが、余りにソロが長いと、ちらちら見てたのが、じっと見つめるようになって、その内、まだやるの?みたいな雰囲気がにじんできて、「はい、もう気が済みました」という合図が出ると、一同ほっとする(笑)というような場面にちょくちょく出くわします。

 RXのライブを観るようになって、一つ気付いたことがあって、それは、かなり暴言というか失言というか衝撃の告白なんですど、この際だから言っちゃいます。

「私はギターソロがあまり好きじゃない。というかむしろ嫌い」

 というのは、今回の福原さんが嫌いなわけじゃなくて、去年の宮腰さんの時も、ギターソロ長ぇなあと感じてしまったし、もっと言えば、某悪魔バンドの時でさえ、本編終わりあたりで、いつまでも続くギターソロにちょっとウンザリ気味だったこともありました。
 というようなことは、私に限らず、たぶん何方にでもあることだと思うんですけど。例えば、ギターソロは凄く好きだけど、ドラムソロは退屈と思う人もいるだろうし、サックスが長いとダレるという人もいるんじゃないでしょうか。
 ソロ回しの長さというのは、微妙ですよね。殆どの曲に、多かれ少なかれソロ回しは入ってるわけで、それらを長いと感じさせない時間で、しかも、満足感をも与えるように、というのはなかなか大変なことだと思います。

■もはやお約束。
 本編最後の曲前に、石川さんからお約束の一言。
「哀しいお知らせがあります」 
客のリアクションもお約束。
「え〜〜〜〜!」
そして、石川さんの隠れキャラ(=乱暴者)が炸裂。
「俺のせいじゃねえ!!」(笑)
 「ステージが終わらないと、おぜぜがもらえないんですよ。1ステージ終わってなんぼ、なので」という説明の後「いつも、謝るのが大変なんだから」でもね〜、やっぱりね〜、もっと観ていたい、聴いていたいんだもん。

■アンコール
 「Endless Spiral」では、ブレンダさんのリクエストで、サビの部分に振り付けが入ります。頭上で指をくるくる回す、というか「BIG TIME CHANGES」の時のあの感じですね。
 そして、オーラスの「LOVE FLIGHT」は当然のように大盛上り。去年も言ったと思うけど、聖飢魔IIバージョンを越えてます。もはや、RXの曲と言っても過言ではないでしょう。

 もう、もう、大満足のライブでした。RXのライブで、素直に音に身を任せて楽しむということを、あらためて知ったような気がします。さ、次は、新宿リキッドルームでの千秋楽。くー、待ちきれないぜ。


新宿リキッドルーム(7/21/Sat)

■あっち〜!!
 噂には聞いていたが、そして、覚悟もしていたが、東京はあち〜〜〜! 前日は調子に乗りすぎて、危うく行き倒れるとこでしたよ、私は。今日は昨日ほどではないけど、それでも、ウンザリ娘が歌っちゃうには十分過ぎるくらいの暑さ。ライブ前は、体力の温存のために、ルミネでまったりティータイム。正解だったと思います。

■さらに、あっち〜!
 リキッドルームの長い長い長い…階段を昇り、待つこと約30分。この階段が、また、シャレにならない暑さ。そんな中、スタッフの一人が階段へ通じるドアを中から開いて、「あっつ〜」と言って締めやがりまして、暑さで気が立っている私は「なめてんのか」と思いました。こっちは冷房の部屋に入りたくとも入れてもらえない状況で、じっと我慢して暑さに耐えているというのに、あまりに配慮のない行為&発言ではないでしょうか。

■意外と順調に。
 開場、遅れるかなあと漠然と考えていたのですが、ほぼ定刻で開場し、整理番号の早めだった私は、いち早く涼しい場内に入ることが出来ました。位置取りは、広島の時とほぼ同じ、2列目中央。この位置にいられるのも、RXなればこそ。後ろから押されたりする危険がないって、嬉しいですね。
 早めの時間に入れたので、DVDも買えました。サイン入りポスター付きです。実は、広島の時に、DVDを売ってなくて、「なんだよ〜」と思ったのですが、考えてみるとまだ発売されてなかったんですよね。ああ、勘違い。
 リキッドルームのステージは想像していたより広かったです。地方のちょっとしたホールより広いし、ステージも高い。その分、客席とも少し距離感があって、それは残念でした。ナミキジャンクションのあの近さが頭にあったので、ちょっとだけね。

■ローディーコント。
 客入れの時間が1時間くらいあって、その間、私たちはヒマなわけですが、そんな私たちを思ってか、ステージ上では音声なしのまったりコントが繰り広げられていました。ステージ袖でなんだかローディーさん同士が面白そうなことをやってるんです。「見られてること、わかってる?」と隣のA。さんは言ってましたが、いえいえ、あれはきっと、とっても大事な直前の打ち合わせ…なはずはなく、そのコントの内容が最後まで気になって仕方ありませんでした。

■プロモーションビデオ。
 ライブに先立って、「ARCADIA」のプロモーションビデオの上映。この映像は日本コロンビアのRXのサイトでも観ることが出来ますし、DVDにも収録されています。
 私は、このプロモーションビデオ、すごく好きです。時々挿入される空と雲の映像の疾走感とか、とても気持ち良いし、ジョンおじさん(笑)の声も(もしかしたら閣下以上に)好きです。

■本番。
 例によって、石川さんの「いえ〜い!」のかけ声でライブスタート。
 サックスが勝田さんじゃな〜い!ぱっとみ渋めのおじさま(失礼?)。勝田さんファンの私としては、若干気落ちしたのですが、サックスの音色を聴いてると、こういう音、結構好きかもと思いました。勝田さんのとんがったキレのあるサックスとはまた違って、ちょっと湿ったジャジーな感じ。一つのツアーでこんな風にいろんな音が楽しめるのってお得な気がします。
 げりげりでは、湯澤さんのソロが最大のお楽しみなのですが、その最後で、普段なら雷電太鼓が出てくるところ、本物の銅鑼が登場し、ソロでへとへとになった湯澤さんは、足下をふらつかせながらステージの前まで出てきて、銅鑼を一発、二発、三発(笑)
 これは、最終日ならではのスタッフのひっかけだったようで、石川さんも「知らなかった」と言ってました。メンバーが「やられた」と思ったことを確認すると、袖にいた森永さんが大きくガッツポーズ。滞りなくステージを進めることだけでも大変なことだと思うのですが、この悪戯心、この余裕。いいですねえ。スタッフに拍手〜!!

■サックス:岩佐真帆呂
 このレポを書くためにネットで調べてみたところ、岩佐さんって、意外と若い、というか、私より年下(笑)アルバムには参加していらっしゃいますが、生でお会いするのは初めてでございます。(他には大阪に参加されていた模様)

■ギター:藤井陽一
 最終日のスペシャル・ゲストは、これまたアルバムに参加している藤井さん。「ARCADIA」の前に石川さんが「最終日なので特別ゲストを迎えてます」と言って紹介されたんですが、その時にわかに客席ざわめく。いや、ちょっとね、期待しちゃったんだね。まあ、仕方ないけどね(笑)
 ブレンダさんが、この藤井さんのことをとってもお気に入りらしく、さかんに「キュート、キュート」って言ってらっしゃいました。それに気が付いた藤井さんが「俺?」って自分を指さして、照れくさそうにしていたのが可愛かったです。

■誰もいないけど。
 さすがに会場内にまだアルバムを買ってない人はいなくて、ブレンダさんが「買ってない人」と訊ねても、客席リアクションなし。それでも言わなきゃ気が済まないのか、誰もいないけど「出て行きなさい」ブレンダさんって、本当に閣下に似てるかも(笑)

■とっても大変。
 リハからとにかく大変なんだと、広島でもおっしゃっていたのが「S.T.F」 この曲が終わると、石川さんは手がしびれたと言って、ぶらぶら振り回します。複雑な動きをするので指先に血が通わなくなるのだとか。石川さんほどのベーシストを以てして、この状況。本当に大変な曲なんですね。

■アンコールのおまけ。
 最終日ということで、アンコールに2曲おまけが付きました。「Film Noir」でしっとりと始まって、軽快な「Skip Jack」へと。本邦初公開だそうです。すごく気持ちの良い曲転換で、これが最初で最後っていうのがもったいない。次の機会にはぜひレギュラー化して欲しいと思いました。


■■まとめのようなもの。
 RXが、聖飢魔IIのソロユニットの一つだった頃、実は、これ程ハマるとは思ってなかった。聖飢魔IIという一番好きな音楽があって、RXはその次か、その次の次、みたいな感じだった。
 けれど、この世に進行形としての聖飢魔IIはなくなって、自分の中でも「聖飢魔II的なもの」は最後のミサをもって、一つの完成をみたと思っているので、これまで自分がのめり込んでいた音楽とは別のものが、素直に入ってくるようになったのかなと思う。

 ここで語るのは大いに場違いなんだけど、あえて比較としてあげるなら、「!」のステージは多分に聖飢魔II的だったと思う。もちろん、音楽性も違うし、閣下の意図も聖飢魔IIとは違うものを目指していたはずだろうけど、私の目には、聖飢魔IIを越えようとして聖飢魔IIを追っているように見えた。
 ただ、それは私の目が曇っているせいだと言われたら反論出来ないし、また、私の中の「閣下=聖飢魔II」の意識が強すぎたために、そう見えたのだと言われるなら、まさにその通りだとも思う。

 しかし、RXは、ステージ上の過半数が聖飢魔IIのステージにいた人たちで、聖飢魔IIの曲を演奏していたりするにも関わらず、それらの曲を「聖飢魔II以上だ!」と私に思わせてくれる。「LOVE FILIGH」は、もはや、RXの曲であり、「ARCADIA」のベスト・ヴォーカルはジョン・ウェットン氏だと私は思っている。

 これから、ギタセクも活動を再開し、それぞれが、意識無意識ありはしても、やはり聖飢魔IIをライバルとしてやっていくことになるんだと思う。RXのMCにも出てきたけど、同じ事務所でありながら、客の取り合いみたいな状況になることも今後あるだろう。
 そりゃ、ギタセク宗の威力は凄まじいし(笑)、RXは自らを脆弱なバンドと言ってたりするけど、私はRXの底力を信じたい。肩の力を抜いて、自然に聖飢魔IIを追い越して行くしなやかさ。そんな彼らと同じ空間を共有する時、私は、つくづく幸せになれるのだ。

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